日曜喫茶室

はかまみつおが死んで閉じられたあの日曜喫茶室というのは変な番組だった。昔は毎週だったけどどういう不都合があったのか月末の日曜日に限られた。はかまみつおの勢いがおとなしくなったのかもしれない。昔は彼はあちゃらかで自分でちんどん屋みたいな格好をしていた事もある。また人の番組に出てきては毒舌のような横紙破りな話し方をした。多分東京の人なんだろうが渥美清が体力ない派だとすると何するにしてもエネルギッシュな体力ある派のキャラクターだった。それが日曜喫茶室ではおとなしく本当にコーヒーをいれるのか風のマスター役を演じてた。受け側に徹する風だった。その設定では何人かの常連客というのがいて(その点もユニークだと思う)それが客人大抵二名の役割のその道のプロにいろいろ聞いたり、もっと拡がりを持たせるメインの調味料みたいな事をする。そこの間の持ち方がはかまみつおは独自のセンスを持っていた。一番良いところを引っ張り出してくる才覚があるように思えた。今振り返るとはかまみつおもさることながら常連というのは、なんというか普段は他の番組では衣を着せられて素では本音を持っていて、それをさらりと喋ってた。彼らにしてみればどういうのか、それなりに社会に対する発表の場だった気がする。それがなくなったらやはり人間として辛いはずだろう。きっとそうに違いないと思う。発表の場が確保されることはそれなりに人間にとって多きな意味がある。SNSでは実現しえない何かがある。それが失われるのは各人損失なんだと思う。