零下の男001

親父の奇妙な発想で四人兄弟が素朴に1から4までそれに相当する漢字で名付けられたことに親父亡き後に、その責任者がこの世にいなくなりそれでも名前は残ってしまって、それを裁判所にうったえても個別の名前としては前例もあることだし、悪魔君と呼ばれるのとは程度が違い、扱いも違う、それは単に親父の趣味だとしてもの非は問えないだろうとなること、ソレを考えると司郎は兄の彦三郎と一緒である種の名前としては諦めの気持ちをしばしば持った。それにしても奇妙な事を父親だったがそれは後日語ろう。今問題なのは兄の彦三郎なんだと司郎は思う。彼こそ零下の人である。